Sam Baker 「Sometimes You Have To Cry」

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Sam Baker「Sometimes You Have To Cry」

OTIS'のレコードの日によくWalter's Jukeの山田さんがCDとレコードを持ってきて移動販売してくれます。いつも欲しい盤があって困るのですが、先週、持ってきてくれた中にこの1枚がありました。またしてもOldays Records。67年のSam Bakerのアルバムに6曲もボーナストラックが入っています。Sound Stage Seven時代のアルバムだけど、同レーベルといえばJoe Simonが大好きで、その印象が強く、この人はしっかりと聴いた事がなかった。という事で購入。1曲目はこの時代の代表曲なのですが、改めて聴いたら、やっぱり良い。そのまま最後まで大好物のサザンソウルが展開されていて、何故いままで聴かなかったのか、ソウルが好きとか言ってごめんなさい。な気分になりました。とても良いです。決して洗練されていないし、大ヒットがあるわけでも無いのですが、サザンソウルの美味しいところがギュッと詰まっています。

 

このアルバムを聴いて改めて感じた事。それは1曲が短いという事。このアルバムの曲はほぼ2分台。3分いかないのです。スローでドラマチックな曲でも3分いかないのです。それなのに曲や歌の良さがしっかりと表現されているのです。まあ、他の同時代のソウルも同じなんですけど。イントロや間奏はほとんど無いのにバックの演奏も素晴らしいと感じるし、歌をしっかりと引き立てている。ギターなんて一見目立たないのによく聴いたら粋なフレーズが散りばめられていたり、ふと耳に入る音が気持ち良い。あと欠かせないのがコーラス。短い時間でしっかりと曲のツボを表現する上で、コーラスは更に重要になっていると思う。う~ん、素晴らしい。曲の長さはジュークボックスやラジオで流すための制約があったからだと思うけど、それが結果的にその時代のソウルの良さに繋がっているとも思えるのです。

因みにLOVE LETTERSの曲を作る時も3分台に収めるように拘っていますが、2分台には敵いません。改めて、まだまだだなあと思い知りました。そのうち作りたいなあ。できるだけシンプルに、それでも耳に残る、聴いた人に伝わる、そんな曲ができたらなあ。

 

あ、別に長い曲を否定しているわけではありません。ブルースやロックではギターソロとか長めに弾いて盛り上げるのが普通だし、むしろ曲の表現として欠かせないし、聴く方もそれを求めていたりするし、それがブルースやロックらしさだとも思うので。ソウルでもライブ盤では曲によっては間奏が長いし。あくまでもジャンルや好みの問題という事で。

 

しかし、ブルースもソウルもまだまだ聴いた事がない盤は山ほどあるし、発見も多い。面白いなあ。