Little Milton 「If Walls Could Talk」



Little Miltonの1970年のシングル。リトルミルトンは50年代から録音していて、SUN、CHESS、STAX、MALACOとそれぞれの年代やレーベルで良い作品が沢山あります。この曲が入っている70年の同名アルバムは同年代のCHESSのアルバムの中でも、とてもファンキーでソウルフルな1枚。良い曲が多くアレンジも洗練されているけど、全体的に漂うドサクサ感が堪りません。特にタイトル曲であるこの曲は勢いがあって印象的でした。同じCHESS時代、65年のWe’re Gonna Make Itでの愛があふれる歌とはまた違う魅力があります。どちらも歌が主役。もちろんギターも上手ですが、やはりこの人の魅力は歌。後のSTAXやMALACOでのスケールの大きい歌は素晴らしいです。ここでは若く躍動感のある歌が味わえますが、何よりこの人の路線、Bluesを基本にしつつもジャンルを飛び越えようとする冒険心、ジャンルを気にしない姿勢を感じます。まあ、やりたいことをやっているだけだとは思いますが、その懐の深さはBluesやSoul、R&Bをゴチャまぜに一つのバンドで表現したいと妄想する僕にとって、大いに見習いたいと思うのでした。