V.A  「NEGRO PRISON SONGS FROM THE MISSISSIPPI STATE PENITENTIARY」





特に濃厚なBluesが聴きたい気分の時に、たまーに聴くレコードです。
Bluesを通り越していますが、無情さ、希望、諦め、悲しみ、怒り・・・
などが、これでもかとスピーカーから溢れてきます。



邦題「ニグロ囚人の歌<ミシシッピー州連邦刑務所にて収録>」
今から40年前に、こんなレコードが日本で発売されていた事が驚きです。
う〜ん、マニアック。どれだけの人が買ったのでしょうか・・・
このレコードは1947年にアラン・ロマックスがミシシッピー州パーチマン
にある州立黒人刑務所で録音したもの。
クワやツルハシ、オノを打ち込む音がそのままリズムになっています。
当時の刑務所の畑は鉄条網で囲われていましたが、その外側では同じ
ような環境で黒人農夫が同じような仕事をしていたそうです。違いは銃を
持った監視がいるかいないかだけ。中も外も同じようなもの。
ワークソングは仕事をする時に歌われる歌ですが、それは進んで仕事を
する時に励まし合い、お互いを盛り上げる為に歌うものと、そうでない
ものがあります。黒人囚人の歌は、あきらかに無理矢理させられている、
やりたくない仕事をしながらの歌。
様々な不条理と肉体的、精神的な苦痛の中で、それでも働かなければ
ならない毎日、その中で歌われる歌には強烈な生命力があります。
ワークソングをベースに様々な名曲が生まれています。語り継がれてきた
歌もあれば即興で歌われる歌もありますが、歌が生まれる最も根っこの
部分を垣間見る事ができます。
ソロもあれば合唱もあり、唯一、ハーモニカがバックをつけるものもあり、
なかなかバラエティに富んでいます。
濃厚なBluesを聴きたい時、Bluesの一番濃いところを浴びたい時には
おススメです。
このレコードの難点は、たまに聴きたくなるけれど、ずっと聴き続け
られないところですけど(笑)