華岡青洲の妻



華岡青洲の妻(1967年 大映 監督:増村保造 出演 市川雷蔵若尾文子高峰秀子伊藤雄之助 他)
好色一代男で増村監督と市川雷蔵の組み合わせが大いに気に入ったのですが、それとは対照的な作品であり、更に若尾文子高峰秀子という豪華キャスト。さすがに好色一代男とは全くテイストは異なりますが、市川雷蔵若尾文子高峰秀子の演技の素晴らしさが光る作品。あらすじは、若尾文子演じる加恵は幼い頃から高峰秀子演じる於継に憧れていた。その於継が医者である息子、青洲の嫁に加恵を選び、名家である加恵を嫁として迎える。市川雷蔵演じる青洲は麻酔薬を使った手術を実現する為に没頭していくが、それを支える嫁と姑の確執、愛憎が描かれている。若尾文子高峰秀子はともに主役を演じる存在感のある役者であり、その二人の確執はとても見ごたえがあるし、そのような設定だからか、より二人の良さが浮き彫りになっていて面白い。市川雷蔵の演技も素晴らしいし、なんだかとても贅沢な映画だと思う。しかし、麻酔薬としてまんだらけの花を使い、加恵がそれを飲んで悶えるシーンは、不謹慎かもしれないけど、少しシュールな感じがしました。薬の副作用で盲目になった加恵を演じる若尾文子の仕草がとても美しいのでした。