58回目


昨日は第2火曜日、SlowBluesでひろっぷくでした。


1月15日は池田ヤングさんの命日という事で、今回はヤングさんに因んだ音源をというミッキーさんのリクエストにお応えしました。
ウォルターホートン、ロックウッド、ハウンドドッグ・テイラー・・・いろいろ迷って、一度はロックウッドやエイシズのリズムを取り上げようと考えましたが、やっぱりハウンドドッグにしました。
何といってもヤングさんの姿で目に焼きついているのは、ビザールギターで、アースのコードを垂らして、歪んだ音色でスライドを弾く姿。やっぱりまずはハウンドドッグかな。と思ったのです。


ハウンドドッグ・テイラーは71年、73年にアリゲーターから2枚のスタジオ盤と75年にライブ盤を出しています。
もともとアリゲーター創始者ブルース・イグロアは、デルマークレーベルにいましたが、デルマークがハウンドドッグのアルバムを出さなかったので、自分でハウンドドッグのアルバムを出すためにアリゲーターを立ち上げました。ギターのブリューワー・フィリップスと、ドラムのデッド・ハーヴィーのハウスロッカーズというベースレスのトリオ編成ですが、レコーディングではベースを入れようか相談したところ、イグロアはいつものスタイルで録音させたそうです。要するにハウンドドッグの一番の理解者によって録音されている訳です。この3枚は本当にカッコイイ。僕は昔はライブ盤の荒々しさが好きでしたが、改めてスタジオ録音を聴くと、とても精密に聴こえてくるから不思議。ラフさの中にも、しっかりと計算された、出したいサウンドをイメージした上で表現している感じがします。
75年にライブ盤を準備している途中でガンで亡くなりましたが、ロックウッドとおなじ1915年生まれですので、当時60歳。ファーストアルバムを出した時は56歳。40年代から活動していましたが、あまり注目されず、かなり遅咲きのデビューですが、とても50代半ばとは思えない強烈なブギです。


今回はアリゲーターの3枚は結構定番なので、あまり注目されてなさそうな、82年の「Genuine Houserockin' Music」を持っていきました。



1.Ain't Got Nobody
2.Kansas City
3.Crossroads


これは82年に出された編集盤で、1枚目、2枚目の未収録曲を集めたものです。亡くなった後に評価が高まるのは良くある事ですが、このアルバムはグラミー賞にノミネートされたというアルバムです。そこから3曲かけました。うん、改めてカッコイイ。もう何か、ヤングさんの姿が目に浮かびました。


生前のハウンドドッグは、よく、こう言っていたそうです。
「オレが死んだらみんなは言うだろう。ヤツは演奏は上手くなかったけど、サウンドは最高だったと。」
テクニックよりも最高のサウンドを目指す姿勢、自分のサウンドに対する自信が伺えます。
そして、僕もこの言葉を池田ヤングさんに捧げたいと思います。


来年の1月には何をかけようかな。
そして、来月も第2火曜日、宜しくお願いします。