35回目


火曜日はSlowBlues、火隣灯セッション第2火曜日、ひろっぷく(レコードでいっぷくBy石橋ヒロキ)でした。
セッションはひろっぷく効果(と思いたい)か盛況でした。
参加者が多い時に発令されるスロー禁止。実は僕、スロー禁止が好きなのです。サクサクっと、しかもノリノリの曲を畳み掛けるように聴くのは楽しいものです。


ひろっぷくはマディの続き。
今回は71年のLive at Mister Kerrysを持って行きました。



ミスターケリーズはシカゴの高級クラブでラスベガスに出るようなスターが出演する店、このライブがマディのキャリアの転換期になったとされています。この時のパフォーマンスがきっかけでマネージメント会社と契約し、新たな可能性が開けた。マディもこのショウが、いかに大切かを認識していて、バンドメンバーにも酒を飲まずに精一杯のプレイをするように指示。そういう事を想像して聴くと、緊張感のある演奏に聴こえてくるから不思議です。


1. You don't have to go
2. Blow Wind Blow
3. Boom Boom
まず、ジミー・リードの定番曲、You don’t have to go。ポール・オスカーのハーモニカが良いです。アンプリファイドの音色、フレーズもシンプルですが気持ち良い演奏です。ポール・オスカーはこの時期、マディの家に住んでいたそうですが、マディが新曲の練習をしているのを聴いた事がなかったそうです。バンドの練習にも来ない、それなのにライブやスタジオではズバ抜けていた。本人は枕の下に歌詞カードを敷いて覚えているといっていたそうですが、きっと、練習する姿を見せたくなかった、ボスの風格にこだわっていたのかな、と想像してニヤニヤしてしまいます。全体的にシンプルな演奏、地味なのに質が高い。アルバムを象徴する曲だと思います。Blow Wind Blowではリズムの良さを感じ、特にベースのカルビン・ジョーンズが肝だと思い、少し調べました。カルビン・ジョーンズは71年からマディバンドに加入、これが最初のレコーディングになりました。もともとギターでフレディキング、ジミーロジャース、ジュニアウェルズとプレイ、自分のバンドではギターでベースラインを弾いていて、べースに転向してからはハウリン・ウルフ、フェントン・ロビンソンのバンドを経てマディバンドに加入。シカゴブルースのお手本のようなリズムだと思います。Boon Boonはジョンリー・フッカーでお馴染みの曲。ここでハープを吹いているのはジョー・デニムという人ですが、これが実はジェイムス・コットン。こういう小ネタは是非、ブルース好きな女性とのコンパなどで使って欲しいところ。レーベルの契約の問題などで名前を変えてこっそり録音する事はよくある事ですが、こういう小ネタを知るとワクワクします(笑)全体的に軽やかなアレンジですが、マディの歌が引き締める、マディの存在感を感じる曲です。
という事で、あまり注目されていないアルバムですが、とても楽しめるアルバムだと再確認。来月は何にしようかなあ。