ぼんち



ぼんち(1960年 大映 監督 市川崑 出演 市川雷蔵若尾文子越路吹雪山田五十鈴 他)
老舗の足袋問屋の若旦那が女との出会いを通して成長していく話。当時の商家のしきたりや文化はよくわからないですが、跡取りの大変さ、重圧と商売に対する情熱、所謂、商魂を感じました。原作は山崎豊子で、本来の主人公のイメージ通りかはわかりませんが、市川雷蔵の軽い感じの語り口やキャラクターが、好色一代男を思い出させました。陸軍中野学校の演技が印象的だったのに、最近では市川雷蔵はそういうキャラがぴったりだと思うようになりました。若尾文子は芸者で若旦那の女であるポン太を演じています。後半、越路吹雪草笛光子など取り巻く女たちが一緒に風呂に入っているシーンがありますが、物語の展開としても、絵的にも何とも面白い。最後は年老いた主人公がまだ商売を諦めないという姿を見せ、グッと来ます。俳優陣の演技もストーリーも良くて、見ごたえのある映画です。好色一代男でもそうでしたが、当時の中村玉緒がとても可愛いです。