祇園囃子



祇園囃子(1953年 大映 監督 溝口健二 出演 木暮実千代若尾文子進藤英太郎河津清三郎 他)
祇園の芸者の成長と悲哀を描いた物語。若尾文子が20歳の時の作品で、若さと色気を兼ね揃えたとても魅力的な姿を見ることができた。木暮実千代はこの時35歳という事で、現代と比べて当時の30代は大人だなあ。芯のある大人の女の魅力が溢れています。仕事とプライド、女としての生き方、葛藤などが上手く描かれたストーリー。色仕掛けで仕事を上手く進めようとする、いつの時代にもありそうな話と、それを受け入れる事ができない女の葛藤がグッと来ます。実際に祇園の舞妓さんがそんな風に扱われていたのか疑問は残るけど、まあ、どこにでもありそうな世界だと思う。本当、男って嫌だなあ、色仕掛けで成り立つ仕事なんて、そもそも未来は無いだろ、とか、心の中で呟きながら観ました。しかし、木暮実千代若尾文子はとても魅力的だし、セリフや映し方、演技、とても惹きつけられました。溝口健二監督は女性映画の巨匠と呼ばれていますが、それも納得できる作品だと思います。