46回目


昨夜はSlow Blues火隣灯ブルースセッション、第2火曜日ひろっぷく(レコードでいっぷくby石橋ヒロキ)でした。
セッションは入店時は少な目でしたが、続々と増えていき賑やかになりました。ドラマーが多かったです。珍しく初対面のドラマーが2人もいて、こういう予測できないバランスで人が集まるのもセッションの醍醐味だなあ〜と思いました。しかし、偶然なのか狙って来てくれているのか、ひろっぷくの日はまずまずの賑やかさで嬉しいです。


ひろっぷく、今回はこれにしました。



NEGRO PRISON SONGS FROM THE MISSISSIPPI STATE PENITENTIARY
邦題「ニグロ囚人の歌<ミシシッピー州連邦刑務所にて収録>
アラン・ロマックスが47年にミシシッピーの刑務所でフィールド・レコーディングした音源で、フィールド・ハラーやワーク・ソング、囚人のインタビューなんかが収められています。アラン・ロマックスと言えばブルース・ファンはその恩恵を沢山受けていますので、名前は聞いた事があると思います。特にセッションに集まる人達にとってはマディ・ウォーターズの発見は意味が大きいと思います。国会図書館の研究員として数々の録音を残しますが、国会図書館関連で僕が大好きなのはSun Houseの水色のジャケのやつ。タイトルが思い出せないけど、遠くに機関車の音が聴こえる録音で、よくヘッドホンで聴いていました。サン・ハウスのささくれだった声やギター、音質や空気感が当時の風景をリアルに想像させたし、ブルースにはまり込んでいた20代の自分にとって本当に刺激的な音でした。まあ、しばらく聴いていないので、今聴くとどのように感じるのか気になりますが(笑)それから、ヨーロッパのレーベルなどで沢山出されたフィールド・レコーディングものにも一時期はまっていました。これまた、しばらく遠ざかっていますが(笑)とにかく、ブルースの歴史を読んだりすると、必ず登場する風景があるのですが、それを音源としてちゃんと聴いてみると、とても新鮮だし、何か感じるものがあるのではないか。そんな事を思ってこの盤を選びました。


1. No More My Lawd
2. Rosie
3. Prison Blues
1.はもう二度と苦しみに満ちたもとの道に戻りたくない。というワークソング。2.は、刑務所ではときどき女性の慰問が認められていて、慰問に来た他の刑務所の女囚でロージーという人が人気があったそうで、その後、ロージーという名は空想の女性について歌われる時に使われるようになったそうです。3.は唯一の楽器、しかもハーモニカを使った曲。音色も歌も素晴らしいです。これらを聴いて改めて感じたのは、様々な不条理と肉体的、精神的な苦痛の中で、それでも働かなければならない毎日、その中で歌われる歌には強烈な生命力があるということ。ブルースの歴史云々という世界ではなく、音楽の力強さ、表現の衝動などについて考えさせられます。あと、囚人が歌っているのですが、とても上手くてグッときます。このあたりに根本的な土壌の違いを感じたりします。録音の多くはクワやツルハシ、オノを打ち込む音でリズムをとっているのですが、その音色、雰囲気、歌っている内容の重さも相まって、とても独特の雰囲気。変な言い方をすると宗教的というか、大きい音でみんなで聴いていると、とてもヤバイ雰囲気になります(笑)ただ、意外と楽しんでもらえたようで、ホッとしました。結構、古いやつもイケると思いましたので、今回の反応を今後の参考にします(笑)


という事で来月も第2火曜日です。