「婚期」

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「婚期」

(1961年 大映 監督:吉村公三郎 出演:若尾文子野添ひとみ京マチ子船越英二、他)

若尾文子吉村公三郎といえば大好きな越前竹人形ですが、これは見てなかった。越前竹人形はこの3年後の1963年なのにモノクロ、こちらはカラーという事で、カラーに移行していたこの時代ならでは。確かに越前竹人形の世界はモノクロが合うし、こちらはカラーが合う当時の女性の変化を捉えた作品。若尾文子野添ひとみ京マチ子という好きな女優が揃っていて、とても贅沢。しかし正直、気分が悪くなるくらいイヤな姉妹の役。ただ、後半になって少し切ない気分になったりして。それぞれのセリフが軽妙で脚本の良さを感じます。家庭に満足していない長男の船越英二は外に愛人を作ってひどい男なんだけど、色男ぶりがとても似合う。その妻である京マチ子が可哀想だけど、ハッピーなエンディグはなんとも違和感がある。というか、いいのかそれで、という気持ちになる。それも時代なのかな。若尾文子ファンの僕としてはメガネをかけた姿がたまらない。メガネを外して目を細めて見る姿もいい。性悪の役だけど、冷たいセリフもいい。結局、なんでもイイと感じてしまう。京マチ子は「穴」を見たばかりだったので、疲れた役は寂しかったなあ。野添ひとみはイメージ通りで若さが溢れている。ストーリー的には越前竹人形の方がやっぱり良いけど、魅力的な女優と脚本が楽しめる映画だと思います。