あなたと私の合言葉 さようなら、今日は



あなたと私の合言葉 さようなら、今日は(1959年 大映 監督 市川崑 出演 若尾文子京マチ子野添ひとみ川口浩 他)
若尾文子の作品の中ではあまり目立たないというか、それほど評価されていないように感じる映画。期待しないで見たところ、とても新鮮で面白かった。ストーリー的にはそれほど捻りは無いし、映画としての出来は確かに素晴らしくは無いとは思う。面白かったのは、風景、ファッション、考え方、行動、そして何よりセリフまわし、といったその時代の最新の生き方が表現されている、表現しようとされているところ。50年代の日本は僕が思っていたよりもモダンで現在に近いし、若者の考え方も理解できる。気がする。古さと新しさが混ざって、どこにも属さない時代というか、現代と繋がっているのかいないのか、日本なのか外国なのか、とにかく独特の感じがしてとても面白かった。気の強いキャリアウーマンを演じる若尾文子が役柄に反してとてもキュートに見えてしまう。キリっとしたメガネもとてもいい。そして京マチ子野添ひとみも僕が抱く二人のイメージ通りで、しっくり来ました。野添ひとみがバイクに二人乗りする場面なんて、バイクも二人もとてもカッコイイ。楽しみ方が合っているのか判らないけれど、僕はこの映画好きだなあ。