好色一代男



好色一代男(1961年 大映 監督:増村保造 出演 市川雷蔵若尾文子中村玉緒船越英二 他)
増村監督初めての時代劇、主演は「陸軍中野学校」でシビれた市川雷蔵。好色で自由気ままに生きる男を描いた好色一代男を「陸軍中野学校」でダンディな姿にグッと来た市川雷蔵がどう演じるのか、興味津々でした。あらすじは、市川雷蔵演じる但馬屋の息子世之介はとにかく女が好きで父親の言うことを聞かず、女遊びに明け暮れ、江戸に修行に出されるが、それでも自由気ままに振る舞い勘当されてしまう。女と出会いトラブルに巻き込まれながら日本中を旅し、再び但馬屋に戻ると両親は亡くなり、遺産を引き継いだが、それも使い果たす。最後は役所に追われ、日本を出て行く・・・というロードムービー。とにかく世之介の軽さ、女好きを貫く姿が愉快で惹きつけられる。増村監督らしいスピード感のある展開でグイグイ話に入っていけます。後半に登場する若尾文子の美しさは言うことなしですが、途中で出会った網元の妾、お町を演じる中村玉緒の可愛いこと。それだけでもこの映画を観る価値はあると思う。そして、軽薄だけど妙に説得力のある世之介のセリフがとても良いし、市川雷蔵の演技も素晴らしい。これは面白い映画です。