さすらいのレコード・コレクター 10セントの宝物



昨夜はさすらいのレコード・コレクターを観てきました。
以前、得三で行われた湯浅学さんのレコードのイベントにゲストで参加しましたが、そこで予告編を観て、楽しみにしていました。
アメリカのレコード・コレクター、ジョー・バザードを追いかけたドキュメンタリー。ロバート・ジョンソンサン・ハウス、チャーリー・パットンなど、映画の中の音、予告編のさわりだけでも痺れちゃうような音が溢れています。正直、予告編を観て、きっとこの映画を観たら、ブルースなどのルーツ音楽が更に好きになって、レコードを買い漁ってしまう自分を肯定して、自信を持ってレコードにハマる、背中を押される気分になるだろうな。と想像していました。実際に観終わったら、確かにそんな気分にはなりましたが、それは一部分でした。
この映画で刺激を受けたのは、音楽への愛。ジョーは本当に20〜30年代の音楽をひたすら愛しているのです。大好きな音楽を嬉しそうに聴く姿を見ていると、こっちも楽しくなる。それが例え自分が興味の無い音楽だったとしても、同じだと思う。
好きなものに夢中になる事、夢中になれる事、これは簡単じゃないかもしれない。レコードの場合は、それを保管する場所、お金、仕事、家族、など、夢中になれる為の条件に目が行くもの。しかし、最も大切なのは、それだけ情熱を燃やせる対象があるかどうかという事だと思う。夢中になれるもの、虜になれるものがある事、これが一番大切だし、誰にでもあるものではない。だから簡単じゃないと思う。
僕も音楽が大好きで、レコードも好き。だけど、まだまだその音楽の魅力を解っていないと思う。もっと好きなもの、良いと思ったものに素直になろうと思う。
ロックを完全に否定していたり、遠くまで足を運んでも欲しいレコードが無ければ買わない、好きなレコードを体を揺らしながら嬉しそうに聴く姿、などなど、好きな音楽に対する拘りの強さや愛情が溢れていた。25000枚という膨大なSP盤が保管されていたけど、彼はきっと、好きなものしか持っていないはず。
この映画を観ていろいろ刺激になったけど、とりあえず、僕も好きなものしか買わない、好きなものしか持たない、これでいきたい。


あと、平日の夜にこんな映画を観に来る人は少ないと思っていたら、結構、人がいてビックリ。まあ、普通の映画館と比べたらごく少数だけど、OTIS'や得三の蓄音機の会に来てくれた人には遭遇しなかった。という事は、蓄音機の会の潜在的な需要はまだまだあるという事かな(笑)


今日のチョコ。