「陸軍中野学校 密命」



陸軍中野学校 密命 (1967年 大映 監督:井上明 主演:市川雷蔵加東大介野際陽子、山形勤、山下恂一郎、高田美和 他)
陸軍中野学校のシリーズ4作目。これで4作見ましたが、ますます話がややこしくなっています。スパイらしくなっていると言うべきか。椎名次郎が上海で逮捕されるところから始まります。よくわからないままスパイ容疑で憲兵隊に激しい拷問を受けて、挙句に頼みの綱の草薙中佐にも見放されてしまいます。そんな中、留置所で知り合った元外務大臣の高倉と友情が芽生えます。釈放された椎名は草薙中佐に、実は高倉と近づけるための芝居だったと告げるのでした。草薙中佐はイギリスのスパイ、キャッツアイが日本に潜入しており機密が国外に漏れているため、それに高倉が絡んでいると考えていました。そしてキャッツアイの正体を突き止めるために草薙が様々な活躍をする・・・そんな話です。高倉の娘役が高田美和で、とても可愛らしい。そして、モルヒネ中毒の男爵未亡人役の野際陽子が色っぽい。前作に続き、女性の登場人物がナイスで、今回は草薙は未亡人と関係してしまうという、007的な展開。確かに第一作の中野学校の訓練の中には女性をものにする方法もあったなあ。そして中野学校の後輩を「越前竹人形」で純朴な青年を演じた山下恂一郎が演じています。「越前竹人形」の後にこの映画を見たので、純朴な竹細工青年とスパイのギャップに頭が混乱しました(笑)で、薄々感じていましたが、このシリーズの主役は椎名次郎ですが、本当は草薙中佐ではないか?と思えるくらい、草薙中佐の存在感があって面白いです。冷静に考えると、とても強引で身勝手な上司ですが、こういう人がいないと、ストーリーが展開していかないのも確か。もし、陸軍中野学校が現代のシリーズだったら、スピンアウト企画で草薙中佐物語を作れば良いのに・・・なんて妄想しました。4作まで観たので、5作目も観よう。