「旅の重さ」



旅の重さ (1972年 松竹 監督:斎藤耕一 主演:高橋洋子岸田今日子、砂塚秀夫、秋吉久美子 他)
70年代の日本のロードムービーとして評価が高く興味があったので観てみました。「ママ、びっくりしないで、泣かないで、落着いてね。そう、わたしは旅に出たの。ただの家出じやないの、旅に出たのよ・・・」の書き出しで始まる母親への手紙。母親への手紙を通して少女の心境の変化や成長が確認できる。少女の一人旅。四国のお遍路巡り。そこで出会う様々な人達との人間模様や自分自身への葛藤、一人の少女の成長を描く映画。僕はこれを深夜の1時から飲みながら観たので、あれですが、10代や20代の多感な時期に観ていたら感想が違っていたかもしれません。それとも見る時間帯や精神的な状態によって感じ方が違うのかもしれません。要するにストーリーはとてもシンプルで、何を感じるのか受け取る側に委ねられている感じがするのです。初めて観た感想というか、心に残っているのは、少女が体調が悪くなり川辺で意識を失ったとき。それを発見したお婆さんが助けると思いきや、リュックを盗んで行った姿。少女に「まだいきてるよ」と言われて慌てて逃げ出すのですが、人間の卑しさが胸に刺さりました。それから四国の自然の美しさ。すごく行きたくなりました。主役の高橋洋子のヌードは初々し過ぎて、見てはいけないものを見てしまった気がして、ドキドキしました。そして、この映画の主演オーディションで高橋洋子に次いで2位だった秋吉久美子も登場していますが、少ししか出ていないのに、とても魅力的で引き込まれました。人は旅に出なきゃいけないな。しかも一人旅に。それは若い時期だけじゃなく、どんなタイミングでもいいと思う。ああ、一人旅に出たいな〜と思いました。次はどんな風に感じるのか気になるので、しばらくしたらまた観ます。