「And This Is Free」


またまた最近観た映像の話です。「And This Is Free」。
少し前置きを・・・
数年前、P-Vineから[And This Is Maxwell Street」という2枚組のCDが
出ましたが、それは80年にRounderから出ていたRobert Night Hawkの
「Live On Maxwell Street」の完全版でした。
そのRobert Night Hawkのアルバムはブルースの名盤として有名ですが、
「And This Is Free」という映画の音源で、撮影スタッフが勝手にCD化
したというものでした。要するに海賊盤的なものです。
それでも、そこから伝わってくるBlues濃度の濃さ、Robert Night Hawkの
スライドと重苦しい歌声は、ブルースを聴き始めた頃の僕には刺激的で、
これぞブルース!という感じで、シビレまくっていました。
それから月日が流れ、正規盤で完全版の「And This Is Maxwell Street」
というCDが出たので、懐かしくて思わず買いました。
Robert Night Hawkの録音が良い音で聴けるのも嬉しかったのですが、
それよりもJohnny Young、無名のシンガー達の、まさに生の音にシビれました。
ヘッドホンで聴くと、当時のMaxwell Streetにトリップできる様な気分でした。
そこまで素晴らしい音源を聴くと、今度はやっぱり基になった映画が見たい。
入手困難だし、いつかDVDとかで再発されないかな・・・と思っていました。
そしてさらに月日が流れ・・・忘れかけていた頃にこのDVDが出たのです。


「And This Is Free」はドキュメント映画で、64年当時のシカゴ、マックス
ウェルストリートの様子をとらえたものです。
Blues好きの方には、今さら・・・という話ですが、マックスウェルストリートは
当時の青空市で、いろんな露天商が並び、様々な人種が行き交い、ブルースや
スピリチュアルが演奏され・・・まさにブルースの”現場”みたいなものです。
このドキュメント映画は音楽映画では無いので、演奏が中心ではありません。
それでも、何といってもRobert Night Hawkの演奏する姿が観られますし、
その他にもJohnny Youngや若きCarey Bell、無名なシンガー達の演奏、
そして、そんなミュージシャンと同じくらい、ストリートの商人と客のやりとり、
人々の様子が最高です。いままで音を聴いて想像していたリアルブルースの世界、
当時の空気、人々の姿、生活を垣間見る事ができます。
もう・・・堪りません。家宝です。一部の方には、超オススメです。


↓その1シーンです