「仁義なき戦い 頂上作戦」



1974年のシリーズ4作目。3作目までと同様、暴力団の抗争が中心ではあるものの、警察や世論の影響が大きくなって来るのが印象的。実話に基づく話なので、当時はこのような空気だったのかな、なんて想像します。1作目で最後の亡くなり方が印象的だった松方弘樹が再登場。こっちの役(義西会の藤田)も別の意味でヤバい感じが出ていてすごい。そして前作でも印象的だった山守組の武田を演じる小林旭の存在感が増しています。暴力一辺倒ではなく、知的な面を感じさせるキャラで、とても良い。主役の広能(菅原文太)と武田(小林旭)が裁判所の廊下で凍えながら自分たちの時代が終わりつつある事を語るシーンはいよいよエンディングに向かっていく事を感じさせます。セリフも二人の演技も素晴らしく、とても印象的なシーン。ここまで続けて観ていて、決して暴力団を肯定しているわけではなく、こんな世界がある事をリアルに表現している映画なのかな、と思えてきました。仁義や人情、人間のいやらしさ、虚しさ、などが渦巻く世界、脚色や過大な表現があるにしても、これが実話に基づくという事が、「事実は小説よりも奇なり」を実感させます。次は5作目、完結編を観ます。