Bill Withers 「Ain’t No Sunshine」



71年のファーストアルバムに入っている代表曲。沢山の人がカバーしています。ビル・ウィザーズはソウルシンガーというよりフォークシンガー的なイメージがあります。彼が作る曲はソウルの定番的な曲調では無く、フォーク的なものや展開が複雑だったり予想できないものもあり、ソウルとは明らかに違うアプローチ。アコギが聴こえてきたり、ストリングスが聴こえてきたり、音も独特の世界があります。この曲では、大切な人がそばにいる時、大切なものが近くにある時、太陽が輝いている場所にいるような気になる・・・去ってしまうと、いつ戻るのかと考えてしまう・・・誰にでもある大切な人、大切なものへの思い、そういう、よくある風景や思いをメロディに載せた途端に心に伝わる歌にしてしまう。良い曲に共通しているのは、ありきたりな言葉に魔法をかけてしまうメロディの存在。それを再確認させてくれます。ただ・・・この曲には適した風景があると更に良いと思います。例えば映画やドラマのバック、夕暮れの海を眺めている時、一人で深夜の高速を走っているとき・・・なんかに聴いたら、たまらないだろうなあ。逆に、ソウルバンドがいきなりこの曲を演奏してもなかなか沁みない気がします。まあ、これは英語を理解できない僕はライブでは歌い方やメロディ、演奏で気持ち良いと感じてしまうからで、歌詞の意味を知っている人や言葉を噛み締めて聴ける人はまた違うかもしれませんが・・・他のソウルシンガー達とは明らかに違う路線に向かっていると感じる曲調ですが、バックはMG‘S。抑えた演奏がとても心地よいです。これも今週のOTIS’のレコードの日に持っていきます。