「仁義なき戦い」



先日、松方弘樹さんが亡くなった。僕のヒロキという名前は当時、松方弘樹さんが好きで付けた、と母親に聞いたことがある。因みに僕は博紀という漢字だけど、本当は博樹だったらしく、石橋の橋と木へんが二つあるのが気になって、父親が届け出る時に紀に直したらしい。その話を聞いた時にはその適当さにガックリきたものです。松方さんのニュースを見ていると、ほとんどのニュースで「仁義なき戦い」での演技が取り上げられていました。今から40年以上前の映画だし、その後も活躍されているのですが、「仁義なき戦い」の演技がやはり忘れられないという事か、その後のイメージに繋がったのか、とにかく、インパクトのある映画、演技だったという事だと思います。僕も「仁義なき戦い」は確か20代の頃に全部観ているけど、なんだか無性に観たくなりました。映画も音楽と同じで時間が経つと感じ方が変わったり、新たな発見があったりするもの。という事で、今回、改めて観る事にしました。


まず1973年の1作目。有名な映画なのであらすじは割愛。まずグッときたのは音楽。一気に世界に引き込まれます。因みにインストのテーマはブルースやソウルのバンドでやったらカッコイイと思います。この作品は実話をもとにしたドキュメントですが、暴力シーンの生々しさはやはり新鮮。今の映画よりもリアルな気がします。主役の菅原文太さんのカッコ良さが際立っていますが、松方弘樹さん、梅宮辰夫さん、田中邦衛さん、渡瀬恒彦さんも素晴らしい。そして何といっても山守組の組長を演じる金子信雄さんが最高。役柄にピッタリですごい存在感。印象的なシーンは沢山あるのですが、後半、広能(菅原)が坂井(松方)を訪ねて行き、坂井が勘違いして命乞いするシーンが好き。取り乱して最後にはヒィ〜ッと言う松方さんの迫真の演技は、後にバラエティ番組でユーモアな面がクローズアップされる姿と繋がってしまいます。そして何といってもエンディング。葬儀場から立ち去る広能(菅原)のカッコ良いこと。思わず「カッコイイ〜〜」と声に出てしまうくらい。話の展開もスピーディで適度に入り組んでいてそれぞれのシーンに迫力があるし、やっぱり面白いです。次は広島死闘編を観ます。