次郎長三国志




次郎長三国志」(1963年)
「続・次郎長三国志」(1963年)
次郎長三国志 第三部」(1964年)
次郎長三国志 甲州路殴り込み」(1965年)
東映 監督 マキノ雅弘 出演 鶴田浩二佐久間良子藤純子松方弘樹山城新伍 他)
50年代に東宝で10作のシリーズとして作られたリメイク。マキノ雅弘監督は自作のリメイクが多いですが、これもその一つ。東映版は4部作で、最後もやろうと思えば続きができそうな終わり方。途中で気が変わったのか、何か事情があったのかは判りませんが、この4作だけでもなかなか充実したシリーズ。次郎長の話は有名ですが映画化された原作は脚色が多く、批判もあったらしい。ただ、僕みたいな初心者には入口として馴染みやすく、良いと思う。シリアス過ぎない任侠ものが見たくて見始めましたが、思った以上に軽妙で面白かったです。鶴田浩二の次郎長の貫禄と人間味があるところ、その佇まいは男でも惚れてしまいそう。若い松方弘樹山城新伍も元気ハツラツ、若さが溢れています。長門裕之森の石松もなかなかの個性。佐久間良子も大人の色気が素敵。そして何といってもお千を演じる藤純子。これを見終わってからすぐに「緋牡丹博徒」を見始めました。あと、この映画では音楽がうまく使われていると感じました。場面ごとの音楽が効果的で、自然に心が踊るんだよなあ。喧嘩のシーンはあっても生々しい痛さや残酷さを感じないところもこの作品の特徴だと思う。任侠ものだけどほっこりする作品。